最近の出来事や、世間の動きに呼応して、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師に求められる社会的役割も変化しつつあります。
最近の関連事項から、どのような社会的役割を担うことができるのかについて考えます。
Date: 2016-08-14 (Sun) スポーツデンティストについて
■歯科医としてオリンピックに携わっていくこと
リオオリンピックが開催され、スポーツの素晴らしさに毎日感動している方も多いと思います。近年、一流のトップアスリート達をサポートする重要な役割として、スポーツ歯科が注目されています。歯科医学的なアプローチを取り入れ、筋力や関節を効果的に使用することは、トップアスリートに重要視されつつあります。
2020年東京五輪に向けて、重要性が高まるスポーツデンティストの現在の登録者数は、平成27年10月現在でたった67名。歯科医師として、五輪やアスリートの養成に深く携わることができる素晴らしいフィールドとなると思います。
Date: 2016-02-22 (Mun) 口腔外科医の挑戦
■ TBS情熱大陸出演の岩田先生
2/21日放送の情熱大陸で、口腔外科医の岩田雅裕先生のご活躍が紹介されていました。
岩田先生は、清光でも、授業をご担当いただいたこともあり、受講生の方々からの信頼厚い先生です。
口腔外科医として、東南アジアでのご活躍は、まさに歯科医師として新たなる進路の先駆者と言えると思います。国内にとどまることなく、広く、国際的に活躍のフィールドがあることの証明と言えます。
Date: 2015-03-05 (Thu) 文系から医学部編入へ
■ 腹腔鏡手術と開腹手術の問題に寄せて
3月4日付の読売新聞では、群馬大学病院事件に関する報道が詳しくなされており、腹腔鏡手術という難度の高い手術法に無理はなかったのかの検証や、開腹手術を受けて死亡した患者の調査が進んでいる点について報じられていました。
そこでは、腹腔鏡手術や開腹手術といった手術は技術の習熟の必要性が肝要で、安全性や医療倫理に十分な注意が払われなかった点について指摘されています。
言うまでもありませんが、「医師」には高い技術とともに倫理性も求められます。現在、医療の多様化・複雑化により医師の倫理性が強く問われるようになっています。社会人を経験されたり、文科系出身で哲学や倫理を専攻された方には、ご自身の経験や学識を医学部編入を通じて医師になることで活かしていただきたいと思います。
Date: 2015-01-29 (Thu) 工学部や理学部からの医学部編入生の可能性
1月27日付けの「読売新聞」で、国内未承認の子ども用補助人工心臓について、厚生労働省が治験(臨床試験)の使用基準を緩めるという、医療における規制緩和を認めたことが報じられていました。
今月、心臓移植待機中に人工心臓を装着できずに女児が脳死状態になり、臓器提供を行うという出来事がありましたが、この女児が待機登録中に脳死状態になったことが規制緩和の背後にあるということです。治験参加には日本臓器移植ネットワークへの待機登録が必要なのですが、登録が完了するまでの間に容体が悪化するケースがあります。今回の規制緩和は登録前でも医師の判断で人工心臓を装着できるようにするものです。
医療の世界全体でも規制緩和が進んでいます。そのため、人工臓器や新しい機材を活用する流れが今後加速していくことが十分考えられます。その際、特に工学や理学的な知識を豊富に持っておられる方々が、医師に転身され人工臓器や新しい機材を医療分野で活用していく、ということが規制緩和の流れの中で期待されています。
清光学院では医学部編入を目指される方々を、講座を通じてこれまでサポートしてまいりました。医学部編入を考えておられる方は、どうぞお問い合わせ下さい。
Date: 2015-01-22 (Thu) 理学部からの医学部編入について
1月17日付けの「朝日新聞」で、日本における約20年の遺伝子治療研究の歴史を振り返る記事が掲載されていました。当初「究極の医療」と期待された遺伝子治療が日本で最初に実施されたのは約20年前です。その後国外での副作用の報告が相次ぎ、一時期下火となっていました。しかし、この記事にも書かれていますが、最近は遺伝子治療研究も蓄積され、普及を加速すべき法律の対象の一つに遺伝子治療が明記されるなど、今再び遺伝子治療は注目を集めています。
遺伝子治療研究の進歩を受けて、こうした専門的な分野で活動される医師の養成が切望されています。理学部出身の方の医学部編入については、例年、医学部からの評価も高く、良い成績を残していますが、こうした状況下、理学部等で遺伝学の分野で見識を積まれた方々に対する医学部側の期待の表れだと言えます。今後、遺伝子治療で活躍される可能性もあります。時代が医師に求める仕事は研究の進歩とともにどんどん広がってきています。
Date: 2015-01-11 (Sun) 獣医師について
獣医師は酪農や畜産、水産業という日本の食糧生産を支える陰の力となっています。日本の畜産振興を図るため、獣医師は乳肉牛、馬、豚、家禽、魚介類などの診療、病気(特に感染症)の予防、栄養管理、衛生管理指導の分野で専属医として活躍しています。また、これまでこの欄で述べてきましたように、家畜や養殖動物の伝染病防止の繁殖の仕事、さらに動物医薬品の安全性確保も守備範囲となります。
その際、農業や水産試験場関係者とも協力して対応する活動をしています。これから産業動物の医療を担われる方々には協調性が特に求められるとことになりますが、獣医学部編入制度を利用し、社会人から獣医に転身されようとされる方には、社会人経験を経て培われた協調性や調整力が期待されているといえます。
Date: 2015-01-07 (Wed) 医師について
難病医療法が2月施行にされる予定で、これにより医療費を助成する対象が現行の56疾患から110疾患に倍増することになります。難病医療法の実施目的は、助成の有無による患者の不公平感をなくすことであり、国はさらに約300疾患へと増やす方針のようです。全般的には、病気が長期化する可能性もあることを考えれば、今回の助成拡大は肯定的に受け止められている模様です。
ただ、既に助成を受けている患者の多くは医療費の自己負担が増える見通しで、受け止める方々の思いは複雑です。やはり難病に関しては治療法の開発に期待がかかってくるのはいうまでもありません。
Date: 2014-12-18 (Thu) 薬剤師について
今月に入り、米国の科学誌で、日本の研究者が抗菌薬が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する殺菌効果のある新しい抗生物質を発見したと報じられていました。MRSAは院内感染が問題になっていて、新薬開発に対する期待の高い分野です。
MRSAは、多くの人の鼻腔などに存在します。普段は無害ですが、免疫力が一時的に低下された方々にはいわゆる「日和見感染症」という形で発症し、死を引き起こすこともある深刻な病気です。従来は「切り札」と目されてきた「バンコマイシン」が効かないMRSAも見つかっています。
研究チームは約2年7カ月かけ、各地で採取した土壌の中から抗生物質を作り出すことを発見したのですが、今後、治療薬としての承認に向けた実験を開始する考えだそうです。
薬学と言えば、調剤薬局のイメージが先行しますが、創薬や生命科学研究にも貢献する仕事です。
Date: 2014-11-30 (Sun) 獣医師について
近年世界各地で、経済成長に伴う大量生産と大量消費により、家畜の均質化や畜産経営形態の集団化が進んでいます。こうして食糧の供給が効率的に行われている一方、家畜を均質的に大量飼育したことが、現在SARS、鳥インフルエンザ等といった人獣共通感染症の拡大につながり易い環境形成につながっている側面も残念ながら否定できません。
現段階では未だ研究が不十分なため、各国ではこれらの感染拡大防止策として家畜の殺処分という方法で解決が図られることも多いのですが、殺処分には多大な経済的損失や動物生命倫理上の問題だけでなく、病気解明や拡大防止、撲滅という根本的解決にそのまま直結するものではありません。
これらの感染症にはヒトに対しても大きな脅威となる病気が沢山あります。今後の獣医学において、感染症への取り組み進めていくことは、家畜生産のみならず生命科学研究の充実に対しても十分な成果を生み出す可能性があります。獣医学部への編入を目指されている方は清光編入学院まで、どうぞお問い合わせ下さい。