最近の出来事や、世間の動きに呼応して、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師に求められる社会的役割も変化しつつあります。
最近の関連事項から、どのような社会的役割を担うことができるのかについてのブログです。
Date: 2014-11-26 (Wed) 獣医師について
今年に入り、デング熱という、日本にはありえないと考えられていた症例が発生しました。またご存知の通り、アフリカ大陸ではエボラ出血熱が猛威を振るっています。地球温暖化やグローバル化に伴うヒトやモノの移動を考えますと、熱帯のものと思われている感染症が日本に入ってくる問題は私たちが考えているよりもっと深刻で危急な問題なのかもしれません。
今日、「獣医師」と言えばペット(伴侶動物)や家畜の治療を行うのが仕事のイメージとして定着していますが、実はデング熱やエボラ出血熱をはじめとするいわゆる人獣共通感染症、あるいは動物由来感染症の防御は獣医師の重要な仕事の一つとして獣医師法に定められています。人間への人獣共通感染症の広がりが加速する現在、これを食い止めるには国際協力も欠かせません。獣医師としての技術を生かし、国境を超えてWH0(国際保健機関)やFAO(国際食糧機関)などの国際機関で活躍されている獣医師の方もおられます。現在求められる獣医師の社会的役割は実に幅広いものがあります。
実際に今日の社会で動物が実際に置かれている状況、特に動物と人間の関係と人獣共通感染症の問題へと目を向けると、獣医師の仕事は単純に動物の生命を守るというだけでなく、人間の安全保障にもつながる重要な仕事なのです。